石川県能登地方で最大震度6強を観測した5日の地震に見られた「地下水」との関係とは?

災害・ハザードマップ

5/5に発生した石川県珠洲市の最大震度6強の地震ですが、その前後の余震などからも多くの科学的な見解が寄せられています。震源の深さは12キロ、地震の規模はマグニチュード6・5というデータがあがってきていますが、能登地方では2020年12月から大きめの揺れが続く中で最大規模となっています。その後も震度5前後の大きめの揺れが続いており警戒感は高まる一方です。

直近、このブログの中で稲沢市と地震による災害・被害想定について「災害・ハザードマップ」というカテゴリを通じていくつかの投稿を行ってきました。その中での今回の地震発生ということで、私自身も正直なところ畏怖を隠せません。

建物を建てるための決まりである「建築基準法」には耐震基準があることはみなさんご存知かと思います。その中で、この稲沢市でもっとも着工されているであろう建物を新基準と見立てた場合、その中では次のように定められています。

「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」

これは、1981年から施行された新耐震基準といわれるものですが、この後の阪神淡路大震災などでさらに耐震構造についてはより強靭化を求めるよう定められてきました。これはとうぜんですね。日本国内ではもう震度7の地震がいつどこで起きてもおかしくないものとして考えているからです。また、建物の倒壊による死者を出さないことは、24時間いつ発生するか予測できない地震に対して最低限の防衛策です。夜間就寝中の被災は、ほんとうに恐ろしいものです。

さまざまな耐震化技術が向上してきた中で、万が一稲沢市にも巨大地震が襲いかかった場合を想定したエントリーが次の投稿です。たとえ自宅の損壊を免れても、その先の避難や復旧の妨げになる二次災害、特に「液状化現象」に大きく注意を払うべきと愛知県や稲沢市も促しています。

この液状化現象を探るにあたって、稲沢市内の地下、地盤についてのアプローチとして地中ボーリングデータに関する草稿をしたためていました。その4になりますがこれは後日公開します。今回、これに触れたのは、今回の能登地方の地震で地下水の観測について興味深いニュースが発信されていたからです。

石川・奥能登の地震活動 数か月から年単位で続く可能性 日頃から備えを(テレビ金沢)
http://www.tvkanazawa.co.jp/nnn/news103xb61832ui6gihjx4.html

上の記事から引用させていただきます。

2年以上にわたって続く奥能登の地震活動。地震学を専門とする平松良浩教授はその原因を2つあげている。

平松良浩教授「珠洲の地震活動の原因は地下深くにある水のような流体なんですね」

1つ目はかねてから指摘している「地下深くにある流体」の存在。地下深くから上昇してきたその流体が断層のすきまに入り込み、いわば潤滑油の役割を果たすことで地下の断層を滑りやすくしているという。さらに、地下に溜まった水が膨張したり、断層をゆっくりと動かす「変動源」となっていることも原因の1つだと話す。

平松良浩教授「(変動源が)まわりの岩盤にどんどん新たなひずみを与えていくんです」「直接断層に入って動きやすくするっていう作用と、ひずみを与えるっていう2つの作用」

木曽川流域で隆盛したことから稲沢市全体の地盤はゆるく強固な支持岩盤層までなかなかの距離があることはよく知られています。上のように今回の能登の地震のメカニズムにより、これまでの断層のズレによる原因に加え新たに「水」が大きな要因であることがわかってくれば、あたらしい対策が見えてくるのでは、と期待しています。

奇しくも、稲沢市では水道管などの地中インフラ・ライフラインの仮想化技術を試験導入しはじめました。もし、こうしたデータが公開されることになった場合、さまざまな意見があるでしょう。しかし、データ不足による未知の恐怖におののくよりかは、正確な情報を知った上での対策、協議が重要ではないでしょうか。