スマホを使い音声よりもリアルな緊急通報が可能!愛知県警「110番映像通報システム」

ITとAIとデザイン

昨日あたりからのニュースで、マンション駐輪場の火災が報道されています。同じような手口が続いているということで連続犯の可能性ありとも伝えられています。

近年、こうした事件・事故の報道で、特にTVメディアでは盛んに視聴者撮影の映像が放送されるようになりました。ドライブレコーダーの映像なんかもYOUTUBEですごい再生回数を記録していますよね。どれもこれもスマホやSNSの普及あってのもの。高性能・高画質のカメラを載せ、音声も録音でき、さらにGPSがあることで位置特定のための情報も埋め込むことができる上に、即座にどこへでも送信・共有(シェア・投稿)できるのは、まさしくスマホ・iPhoneのもっとも得意とするジャンルです。

15年前くらいまでは、デジカメで撮影したデータを記録メディアでパソコンへ移し、サイズを圧縮してからメールで送信、なんていう手間をかけていました。iPhone 3Gの登場から日本国内でもどんどん性能が向上していき、さらにモバイル通信の高速化や接続料金の低廉化により、とうとうこの一連の作業がワンストップで済んでしまうようになりました。

ソフトバンクのiPhone 3G発売当初のキャッチコピー(わたしは3GSからですがまだ持ってます)

当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが「ではこの先、どんな進化が残ってるの?」とIT進化の頭打ちに対してある種の不安も感じます。余地としては、おそらくソフトウェア部分の向上がほとんどかと思いますが。AI(人工知能)なんかもまさしくこのソフトウェアですからね。

しかし、模倣が得意なAIがいましばらく超えることができないであろう壁こそが、実際に現場において人が目撃するリアルタイム・イベント(出来事)の記録です。

ここからようやく本編ですが、冒頭のように事件を目撃した際などに、これまでの110番通報への情報の上乗せとして、スマホ、iPhoneの高度機能を活用した「110番映像通報システム」が主流になってきました。

110番へ電話した際に、通常はあのよくテレビでも見る「通信指令室」のオペレーターさんへつながります。これまでは音声のみで現場の状況を伝えていたわけですが、そこにはやはり限界があります。ここで「情報の非対称性」が生まれることにより、司令を受けたあとにつづく救援などのさまざまな活動に大きな影響を与えていたはずです。こうした課題を解決すべく「110番映像通報システム」が生まれ進化してきたのは、暮らしを守るサービスへのIT活用としては最適解だといえます。以下、愛知県警 安全な暮らし»110番で紹介されているこのシステムのイメージ画像です。

上の画像のとおり、特定のアプリを事前にインストールする必要はありません(わたしは最初、アプリが必要かと思っていましたが、よく考えればそれだと即時性がないですね)。スマホ、iPhoneにかならずひとつはインストール済みのホームページを見るためのブラウザアプリ、たとえばSafari(サファリ)やChrome(クローム)を使って通信するためです。

110番の緊急通報時にオペレーターより、このシステムへアクセスするためのURLアドレスを電話番号あてにSMS(テキストメッセージ、ショートメール)送信してよいか尋ねられます。よければ、SMSが届きますのであとは自身の安全に注意しながら指示にしたがえばよいようです。

「よいようです」というのは、110番を興味本位で試すわけにはいかないからですが、よくよく考えれば、事前にこのシステムを体験できる取り組みがあってもおもしろいかもしれないですね。それこそオペレーター役はAIでも可能でしょうから。

これからもあらゆる分野でITが「くらしの質の向上」にチカラを与えてくれることにつよく期待します。

愛知県警察本部 地域部 通信指令課さんによりますと、この110番映像通報システムの動作環境は以下の通りで、すこし古めの端末では動作ができないようですね。「※動作環境を満たしていても、スマートフォンの設定環境や通信環境によって利用できない場合があります。」という注記もあります。スマホなら、だいたい4年前の2019年以降の機種ならOKそうですね。

・iPhoneの動作環境
iOS14.8以降 ブラウザ:Safari(Google Chromeの利用は不可)

・Androidの動作環境
Android11以降 ブラウザ Google Chrome 93 以降

該当システムの詳細はこちらです。

愛知県警 110番のページ
https://www.pref.aichi.jp/police/anzen/110/