有機フッ素化合物(PFAS)について調べてみました:その2

保健衛生
トーイ
トーイ

また横文字が出てきたなだも

たかむら
たかむら

(さては、またあたらしいネタを仕込んでるな…)

(はじめに)
本稿でとりあげているPFASの話題につきましては、筆者の髙村はその1から引き続きデリケートかつセンシティブな話題と捉えています。

5月15日の投稿で、ニュースになることが多くなってきた「PFAS」と呼ばれる化学物質についてふれました。PFASとはなにか?についてもそちらにまとめています。個人的にですが、この件は「マイクロプラスチック」や「重金属」の話題と近似する点が多いと考えています。

なぜこの話題を取り上げたのか?

きっかけは「NPO法人 祖父江のホタルを守る会(以下、ホタルの会)」や長女の出産の際に学んだ”体内蓄積”や”生物濃縮(生体濃縮)”にあります。

これらは、ある種の化学物質や金属類が生態系での食物連鎖を経て体内に濃縮されていく現象をさすものです。いったん食事などで体内に取り込みつつも、尿などで体外に排出される割合が低いために起こります。反対に体外排出のための「デトックス」という考え方があります。さまざまな環境物質があふれる現代において、これらはセットで考えていかなくてはなりません。

ここ稲沢市の水道水は、直接取水しているものについては木曽川水系の伏流水の恩恵から「水がうまい」といわれています。とはいえ、水が毎日のくらしから切っても切り離せないのはもちろんのこと、毎日のお茶を作ったり料理にも使う水道水の質にはやはり高い関心があります。

また、稲沢市には自宅に掘った井戸が飲用に適するかなどについて水質検査を行ってくれるサービスがありますが、と、ご紹介しようと思っていたところ2023年6月現在ホームページ上に情報を見つけることができませんでした。こちらもまた、ホタルの会や地元自治会の活動を通じて興味を持つようになりました。災害時など、いざというときの飲用水の確保、備蓄についてはわたしの中ではかなり高い優先順位にあります。

そうしたポリシーのもと、このPFASが水を経由、由来してくるといわれてることについて社会全体がどれだけ認識しているのだろうか、それが知りたいのです。

稲沢市内のPFAS(PFOS・PFOA)の水質検査

さきの投稿でも述べましたとおり、焦げつき防止の調理器具、汚れをはじく衣類、食品接触材、洗剤、クリーニング製品、泡消火剤などに用いられていたPFASは、そうした機能的特徴をもつ5,000種近い化学物質の総称です。

いま話題となっているのは、その中でも環境中で分解されにくく高い蓄積性があることから国内外において製造、使用等が規制されている、PFOS(ピーフォス:ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ピーフォア:ペルフルオロオクタン酸)です。

あいにく、稲沢市が公表している令和4年7月の水質検査結果では上記の2物質についての項目は見当たりませんでした。 わたしの見落としでしたらご容赦ください。

出典:水質検査結果の公表(稲沢市)
http://www.city.inazawa.aichi.jp/kurashi_tetsuzuki/suido/suido/1001302.html

検索の結果、愛知県のホームページにて検査項目として上のPFOSPFOAのふたつが挙げられていることがわかりました。検査地点は稲沢市内にある尾張西部浄水場尾西取水口です。検査地点図からは木曽川から取水していることがわかります。

出典:令和3年度 愛知県企業庁水質検査計画https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/369852.pdf

その基準値を示したものがつぎの画像です。

なお、お隣の一宮市では「有機フッ素化合物 調査結果(令和3年,4年分)」としてデータが公表されています。

水道水における有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)について|一宮市
一宮市

そのページでは、明確にふたつの有機フッ素化合物についての一宮市の見解が表明されています。

水道水における有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)※1については、厚生労働省が令和2年4月より水質管理目標設定項目※2に位置付け、PFOS及びPFOAの合計値で1リットル当たり50ナノグラム(50ng/L)※3を暫定目標値※4として定めています。
 一宮市上下水道部では、有機フッ素化合物について水道原水での水質検査を令和3年度より行い、暫定目標値を下回っていることを確認しております。
 今後も継続して有機フッ素化合物の検査を実施し、安全で安心できる水道水を供給できるように水質管理を行っていきます。

※3 ナノグラム(ng/L)とは、水1リットル当たり10億分の1グラムの物質を含むことを表します。
※4 暫定目標値とは、ヒトが生涯にわたり毎日2リットルを飲用しても問題がないとされる数値です。

引用元:一宮市HP 水道水における有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)について

検査データはつぎの画像のとおりです。

このデータを見る限り、稲沢市との地理的な関係性がつよい尾西配水場、木曽川配水場のいずれの検査地点でも基準値を下回っていることがわかります。

上は稲沢市の検査指針からの抜粋ですが、石橋浄水場と祖父江配水場があることがわかります。祖父江配水場が上の一宮市のデータに出てきた尾西配水場、木曽川配水場のデータを参考にすることは可能でしょう。

石橋浄水場系統と石橋浄水場(原水)の調査に関心が高まります。

稲沢市消費生活モニター在籍時に見学した尾張西部浄水場

この記事を書いていて、上に登場しました稲沢市祖父江町にある「尾張西部浄水場」へ見学に訪れたことを思い出しました。じっさいの浄水の仕組みから質疑応答まで、かなり丁寧な説明を受けるとともにダイナミックな設備を目の当たりにできてとても楽しかったことを記憶しています。

トーイ
トーイ

今日はとても暑かったしオイラものどが乾いてきただワン

たかむら
たかむら

そ、そうだね
(あたらしい横文字を考えてたんじゃなかったのか…)