「アナログ規制」というわたしが勝手に思い違いをしていたパワーワード

DXとGX
トーイ
トーイ

どことなくオイラと似ているぞな

たかむら
たかむら

ふむ…

(またなんか変わったことを言い出したな)

トーイ
トーイ

お目々がクリクリしてるところなんかもそっくりだぞい

たかむら
たかむら

はて?

先日、6月14日の参議院本会議で「アナログ規制を見直す改正デジタル社会形成基本法」なるものが可決・成立しました。これは、デジタル技術の活用を妨げているいわゆる「アナログ規制」を見直すためのものです。

わたしが勘違いしていた「アナログ規制」とは

わたくしごとですが、ITのお仕事の中で「デジタル」と「アナログ」を対比してユーザーさんに説明する機会はいまでも少なくありません。もちろん、それぞれに長所短所があります。けれどもそこはやはり、よりITに親近感をもっていただけるようにトークを進めていきます。

それゆえ、変にこりかたまっていたのでしょうか。この「アナログ規制」について意味を取り違えていました。

まず、NHKのサイトでは、この「アナログ規制」についてつぎのように解説しています。

「アナログ規制」は、デジタル技術の進展に法律などの整備が追いつかず、業務の効率化を妨げている規制のことです。

引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230614/k10014098841000.html
「アナログ規制」見直し法 参院本会議で可決・成立 | NHK
【NHK】デジタル技術の活用を妨げているいわゆる「アナログ規制」を見直すための法律が14日の参議院本会議で可決・成立しました。

これに対して、恥ずかしながらわたしは「このデジタル化社会の中で”あえてアナログの良さを活かしていく”取り組み」だと勝手に思い込んでいました。

「時代に逆行した」というと語弊があるかもしれませんが、たとえば国の環境保全の指針の中には「それまで薬剤に頼っていた雑草の繁茂抑制を、草刈り、除伐」ですすめていくといった取り組みもあります。環境の持続性保持に向け、比較的手間の少ない化学的(ばけがくてき)アプローチから、機械は使えども手作業、人力ですすめていくと説明することができると思います。

アナログというと「負の遺産」のイメージが根強いのはたしかですが、わたし自身、ITにたずさわる中でむしろその価値の高さに気付かされたことがたくさんあります。

NHKの解説を読んで、意識の回路がごちゃまぜで繋がっていることにへんな汗をかいてしまいました。

「アナログ規制」を見直す法律はナニを見直すのか

上のNHKのサイトでは、この法律が果たす目的として「例えば、河川やダムの点検では、法律や政令で目視による点検が義務づけられ(ることで)、ドローンやAI=人工知能による画像解析といった最新技術の導入の妨げとなっていた」などの規制を取り払うことにあると説明しています。

そして、いかにもDXらしい規制解除として「国家資格などの書面掲示や、記録媒体としてフロッピーディスクを指定する規制を撤廃する」ことが挙げられています。フロッピーディスクのみならず、CD-Rでのデータ提出など、とてもレガシー(前世代的)な規定はほんとうにいまだ残っていますので、無駄にIT資産を維持しばければならない課題が解消されるならばとても喜ばしいことですね。

いずれデジタル化で危惧されること

IT業界でいくども辛酸を舐めてきたのが、次から次へとアップデートしていくテクノロジーへの投資回収です。

たいへん古い話で恐縮ですが「CDが焼ける」とだれもが飛びついたCD-Rレコーダーは、ドライブユニット本体はもちろんのこと、ライティングソフト、SCSI(スカジー)という増設用のボードやケーブルもあわせていくとかんたんに10万円の予算を超えるものです。

それが、いまでは2000円も出せば、USB接続の外付けドライブが新品でいつでも翌日には手に入ります。しかも、だいたいDVDまで視聴できる性能もついてきます。CDだけの需要などはとうぜんないので、同じユニットで読み書きできるならドライブ製造メーカーにとってはCD専用の装置をつくる理由などありません。

このようにかつての主流が陳腐化するまでの速度が異常にはやいのがITの世界の常(つね)ですので、せっかく規制を撤廃したものの、10年も経ったころにまたその枠組みに縛り付けらるような法律でないことを願うばかりです。もちろん、この点についてはくわしく条文を読んでみないことにはまだなんともいえませんが。

ショートx2

トーイ
トーイ

毛並みも毛色もけっこうそっくりだぞい

たかむら
たかむら

もしかしなくても、それって「アナグマ」のことだよね