有機フッ素化合物(PFAS)について調べてみました:その1

暮らしとインフラ

(はじめに)
本稿でとりあげているPFASについて、筆者の髙村はデリケートかつセンシティブな話題と現段階で捉えています。コロナ禍を抜けつつも、世界中でさまざまな事柄(ことがら)が取り上げられアップデートされていく中で、なにが正しいのか?について日々多元的な議論がなされていますが、やはり正確な情報こそがなによりもたいせつだと考えます。その上で、情報を発信する立場として”本質”を見極めるチカラを常に養うように心がけています。

そもそも、PFAS(ピーファス)とは何なのか?
PFASとは人工的に合成された化学物質の”総称”で、耐水性、耐脂性、防汚性などに優れた特性を持ち、その主な用途はコーティング剤、界面活性剤、 表面処理剤などです。熱や水に強く壊れにくいというその化学的性質により、半導体の製造を中心に産業界や製造業界でも重用されています。

身の回りでは、 焦げつき防止の調理器具、汚れをはじく衣類、食品接触材、洗剤、クリーニング製品、泡消火剤などに用いられていたこのPFASですが、先ほど述べた通り、これはそうした特徴をもつ5,000種近い化学物質の総称となっています。

いま話題となっているのは、その中でも環境中で分解されにくく高い蓄積性があることから国内外において製造、使用等が規制されている、PFOS(ピーフォス:ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ピーフォア:ペルフルオロオクタン酸)です。いまニュースになっているのもこのふたつが土台となっていますね。

国際的にも規制が進む中、アメリカとドイツでは血中濃度、つまり、血液1ml当たりの指標を設けています。アメリカでは7種類のPFASの合計値が20ナノグラム、ドイツではPFOSが20ナノグラム、PFOAが10ナノグラム以上で健康への影響の恐れがあるとしています。具体的には、国際がん研究機関はPFOAを発がん性の恐れがある物質に分類しています。腎臓がんや前立腺がん、潰瘍性大腸炎、甲状腺疾患の発症の他、赤ちゃんの体重減少、コレステロール値の上昇などとの関連を指摘しているようです。

木曽川水系の稲沢市の飲用水は安全か

具体的なデータがないため近辺の調査報告を集めています。その内容は、つぎのページにて”その2”としてエントリーしています。