中部電力の6月電気料金値上げなし!?くらしのコストアップは今後もまだまだ続くのか?

地域経済と経世済民

近年、食料品から工業製品にいたるまで、なにもかもが値上がりしました。唯一下がったのは携帯・スマホの料金くらいでしょうか。もともと人口の多い中国などの国の発展により世界中のあらゆる資源調達・購買で日本の買い負けが叫ばれていました。そこに、地政学的リスクによる物価高騰とアメリカのインフレ抑制のあおりによる円安が加わったわけですから、正直なところこの先コストダウンとなる気配は微塵も感じません。

この状況は間違いなく「コストプッシュインフレ」です。いわゆる”悪いインフレ”で、一個人として打てる効果的な手がありません。世界中のあらゆる事象が複雑に絡み合った結果のインフレで、日本だけではどうすることもできないからです。

生産コストの上昇により起こるインフレのこと。具体的には、原材料や資源価格の上昇による資源インフレ、賃金の高騰による賃金インフレなどがある。いわゆる供給サイドの要因によるインフレであり、輸入物価の上昇などその原因が自国に収まらない場合は、対策が比較的難しいとされる。

野村證券:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/A02760.html

悪いインフレ側の説明のほうがわかりやすいですね。

「物価上昇が賃金上昇を上回ってしまう」インフレのことです。 「コストプッシュインフレ」といいます。 悪いインフレでは、景気がまったく良くないのに、物価が上がっていきます。 国内で代替できない食料やエネルギーが上がってしまうのが良い例です。

幻冬舎 GOLD ONLINE:https://news.yahoo.co.jp/articles/838936a6e5e58b1e36248a00dd35c8b072c73d2d?page=2

こうしたネガティブな表現で埋め尽くされてしまう昨今のくらしのコストの話題ですが、実のところ、わたし自身「意外と日本はすごいんだな」「よく持ちこたえているな」と感じています。

ひとにより感じ方が違うくらしの負担

次の表は、Yahoo!投票で行われていた「相次ぐ値上げ、あなたの生活に最も影響が大きいのは?」というアンケートの途中経過です。

相次ぐ値上げ、あなたの生活に最も影響が大きいのは?

https://news.yahoo.co.jp/polls/44254 (2023.05.18付投票結果から出典)

あらゆる世代が回答していることや「外食」が入っていることですこしピントがあっていないように感じますが、食料品と電気・ガスで9割を占めているのでまず肌感覚の統計としては問題はなさそうです。電気については補助があったせいか、すこしまだ値上がりイメージが弱含みなのでしょうか。ガスは補助があったのは都市ガスだけですね。プロパンガス(LPガス)がまだまだ多い稲沢市祖父江町では、この恩恵はいまのところありません。

タイトルにもありますとおり、本日5/18に電力各社の6月の値上げ申請の見通しが判明しました。この稲沢市はもちろん中部電力ですが今回は値上げなしとのこと。ただし、共同通信の一覧表を見ると、けして明るい話題ではないことがわかります。

原発が動く関西、九州電力は、数字的に”安い”とまで感じますね。九州は太陽光発電、いわゆる再エネも活発なところなのでまだまだ余地があるのかもしれません。

名古屋の中部電力ミライズは今回値上げしなかったことについて、長野県の信濃毎日新聞株式会社の取材にこう答えていますが、わたしの理解力不足からかハナシがむずかしくてよくわかりません。

電力値上げ 中部電力は申請せず

中部電力が値上げを申請していない理由について、県内にも電力を供給する中部電力ミライズ(名古屋市)は、値上げする大手電力7社と比べて「燃料価格の上昇分を料金に反映させられた」と説明する。現行料金を国に申請した時期の違いから、上昇分を転嫁できる上限が7社より高く、「料金を上げなければ赤字になるという状況ではない」という。

信濃毎日デジタル:https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023051700155

要約すると「すでに上げておいた分でなんとか間に合ったから、今回はなしにしておくよ」という感じでしょうか。この要約に悪意はこめていませんが、何度読み返してもそうとしか思えません。コストプッシュインフレの中、中部電力も打つ手がないはずですからこの取材からは「つぎはわかりませんよ」と捉えることもできます。

ライフラインのコスト対策は?

インフラだけでいえば、電気については、新電力の撤退も相次ぎ、契約、プラン変更によるコスト圧縮は見込めませんが、まだ太陽光発電などによる売電収入に活路がありそうです。プロパンガスであればオール電化への切り替えは効果が高いでしょう。

あまり革新的な手がなく、記事としては尻窄みになってしまいました。