スマホかPCで!道路や公園の損傷を匿名で即時通報できる稲沢市の「いなレポ」システムのご紹介

稲沢市の道路や公園の補修をするイメージ画像です。 ITとAIとデザイン
トーイ
トーイ

穴掘るのオイラはたぶん得意だぞな

たかむら
たかむら

いつも部屋のクッションでバリバリバリと練習してるもんね

このところ、稲沢市(行政)のITを活用した取り組みが活発化しています。このように、行政や企業などがデジタル技術を利用してあらゆる業務を改善することにより、旧来のやり方から徐々に脱却していく取り組みをDX(デジタル・トランスフォーメーション)と呼びます。もちろんここには今話題のAI(人工知能)の活用も含まれています。

デジタル庁発足で特に話題を集めたとおり、DX推進そのものは国をあげての取り組みです。目まぐるしい変化が続く時代にあって、あらゆる県や市町村すべての行政の間である種の競い合いや差別化が生まれているように見受けられます。企業にとっての市場での競争優位性の獲得といった感じでしょうか。「ふるさと納税」「シティ・プロモーション」がわかりやすい例ですね。

DXにおける”トランスフォーメーション”は「変革」や「変容」の意味で訳されます。このことを最初に提唱したのがスウェーデンのウメオ大学に籍をもつエリック・ストルターマン教授です。同教授は「進化し続けるITこそが人々の生活を豊かにしていく」と2004年に提唱しました。

公共インフラ維持のための架け橋「いなレポ」システム

ふだんの暮らしにおいて「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を上げる」というテーマで、このところいくつかの記事を投稿してきました。いつもの日常の中で何の気なく利用していますが、公共インフラには実はさまざまなものがあります。

今回ご紹介する稲沢市の「いなレポ」は、そうしたインフラの損傷を発見したときにスマホやPCから手軽にかつ匿名で通報できるシステムです。通信料金は自己負担になりますが、これまで自治会経由や直接電話などで市役所に通報していたことを考えると圧倒的に手間を省くことができます。これなら重たい腰も上げやすいですね。

道路・公園の破損などに関する情報提供のお願い | 稲沢市

通報できる対象は実に多く、そのいずれも損傷や不具合があると途端に暮らしの利便性が下がるものばかりです。何が通報対象になるのか気になりますよね。HP上にくわしい記載がないため、アプリなどの実際の画面から通報できる項目をリストアップしてみます(令和5年6月1日現在版です)。

まず、道路関連の施設の項目です。

  • 路面(車道)
  • 路面(歩道)
  • 側溝・側溝のふた
  • 道路照明灯
  • カーブミラー
  • ガードレール・フェンス
  • 標識・看板
  • 街路樹
  • その他
    ※ここを選択すると、上にないものでも通報できるようです。
損傷箇所報告はこんな感じで選べます。

次に公園関連の施設報告の項目です。

  • 遊具
  • 照明灯
  • ベンチなど(休息施設)
  • 水回り(水道・トイレなど)
  • 樹木
  • その他

IT活用はやはり楽になるという好例

スマホ普及の影で、それまでの携帯電話から一気にカメラの画質は向上しました。また、スマホそのものの性能向上にあわせてカメラを動かすアプリの性能も大幅に上がり、誰もがどんなシーンでもそれなりの写真を気軽に撮ることができます。

この「いなレポ」では最大3枚の画像を送信することができます。3枚が多いか少ないかの議論はさておき、動画での報告もできるといいのですが、今回例に上げたPCブラウザ版では見当たりませんでした。市公式LINEからの通報なら動画送信も可能なのでしょうか。

次はやはり地図ですね。地図上のポイントを指定するだけなので、これだけスマホであらゆるマップアプリを活用している中でどなたも手慣れた操作が可能でしょう。ブラウザへの許可次第ですが、GPSによる位置指定も可能です。この場合はもちろん損傷を発見した現場から通報する必要がありますが。

総括

日々のくらしの中で欠けてはいけないものばかりを対象に、このように即時性も利便性も高く、かつ、通報のわずらわしさから解放されるという、DXの鑑(かがみ)のようなシステムですが、やはりUI・UXに改善できる余地が見受けられます。DXによる生産性の向上や変革は、かならず「誰もおいてけぼりにせず、人にやさしい」ものでなければなりません。今後さらにより多くの項目の通報が可能になることと、そうしたあらゆる市民がより気軽に利用できる操作性となることに期待しています。

先日、愛知県警の防犯アプリ「アイチポリス」をご紹介しました。

その中でも触れていることですが、どんなに”神”と呼ばれるアプリといえど利用者によるレビューには忖度のない意見が寄せられています。この「アイチポリス」でも「情報が多すぎて操作がつらい」といったレビューをちらほらと目に付きます。DXの定義の中にはビッグデータなどの大量の情報の利用もとうぜん含まれていますので、これはやむを得ない点ではあります。

そこからどうやって個別のユーザーにマッチ・アジャストしていくのか。
それこそが「DXによる本当の変革」の姿です。

トーイ
トーイ

バリバリひっかいてるのは気に入った寝床にしてるだけだぞい

たかむら
たかむら

そ、そうなの?

(んじゃ、クッションをいくつもダメにするのは勘弁してよ)