震源地直上で揺れていないのに妙に離れた場所で震度が観測される「異常震域」から思うこと

災害・ハザードマップ
トーイ
トーイ

オイラ、けっこう揺れに強いんだワン

たかむら
たかむら

クルマの窓をおろしてあげるといつまでも景色を眺めてるもんね

先日、国土地理院が提供している被災予想を視覚化した地図サービス「重ねるハザードマップ」をご紹介した際、その日の早朝に不思議な地震が起こったことに触れました。

「愛知県西部を震源とする」とありますが、じっさいの震源地は豊田市北部の猿投山あたりでしょうか。しかし、このあたりは「三河」に分類されるのでは。クルマのナンバープレートだと「豊田ナンバー」エリアだと思います。わたしたちが暮らす稲沢市は、愛知県の中でも「尾張(おわり)」というエリアになります。特に県西部の意識が強いのですが、今回のこの震源地の「愛知県西部」というくくりにはやや違和感を感じます。

エリア分けのハナシはさておき、この愛知県でも北方に位置する山間(やまあい)で起きた地震は、なぜか震源地では観測されず、岐阜県の土岐市、多治見市、瑞浪市と遠く離れた三重県の四日市市をそれぞれ震度1で揺らしています。

6/21の地震(引用元はtenki.jp)

こういう現象自体は以前から確認されていたので知識としてはありましたが、ここ最近の地震情報の頻繁さにすこし不気味さを感じている中でしっかりと調べてみたくなりました。

いまだつづく震源地と震度観測地点が離れた地震「異常震域」

そもそもなんですが、28日のこれまた午前8時半すぎに、日本海北部の深さ約480kmを震源とする地震が発生し、北海道から東北地方にかけて震度3~1を観測したことが気象庁より発表されました。

やはり、なんだかとても気味が悪いのです。

こうした現象は「異常震域」と呼ばれるそうでその原因は「地球内部の岩盤の性質の違いによるもの」と同庁は説明しています。図でも説明されていますので引用させていただきます。

異常震域の現象説明図

さて、この「異常震域」の説明ですが、以下の様の条件に分けられそうです。

  • 震源が非常に深い場合
  • 震源の真上ではほとんど揺れない
  • 震源から遠くはなれた太平洋側の場所で揺れを感じる

今回の震源は日本海の北方で、さらに震度は東北地方、北海道の太平洋側で観測されているので上の条件に合致しますね。

気象庁の説明をさらにくわしく見てみましょう。

 大陸プレートの地下深くまで太平洋プレートなどの海洋プレートが潜り込んで(沈み込んで)います。通常、地震波は震源から遠くになるほど減衰するものですが、この海洋プレートは地震波をあまり減衰せずに伝えやすい性質を持っています。このため、沈み込んだ海洋プレートのかなり深い場所で地震が発生すると(深発地震)、真上には地震波があまり伝わらないにもかかわらず、海洋プレートでは地震波はあまり減衰せずに伝わり太平洋側に揺れを伝えます。その結果、震源直上の地表での揺れ(震度)が小さくとも、太平洋側で震度が大きくなります。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html#12

つまり、揺れが伝えやすいプレートに乗るとやたらと離れた地点を揺らすことがあると解釈できます。

ここで素朴な疑問が発生します。6/21の地震のようにそもそも40km程度の浅い震源地でも同じようなことがいえるのでしょうか。

愛知県の真下にあるプレートは?

ここで、文科省の地震調査研究推進本部事務局が公表している画像をご紹介します。やはり断層が確認できますね。しかも、この画像には過去のこの地方の巨大地震発生地まで描き込まれているのでこれまた妙にリアリティがあります。

そこで、この画像と上に貼りました6/21の地震発生画像を重ねてみました。すると…

画像のとおりですが、6/21の地震が「屏風山・恵那山断層帯・猿投山断層帯」を震源地として発生したもので、そのエネルギーが断層の端に向かう別のプレートへと伝わったと考えることができます。

こうなってくると、震源地自体はある程度予想がつきそうなものですから、稲沢市直下での大きい地震の発生よりも、耐震構造のしっかりした建物や発生後の液状化現象に対する備えなどについて高い意識をもつことが重要といえます。

そして、この話題はつぎの投稿へと繋がっています。

ショートx2

トーイ
トーイ

そういえば、このまえいきなり曲がるからアタマをゴンしたぞい!

たかむら
たかむら

地震とおんなじでとっさのことはしょうがないからかんべんしてよ

(いつもちゃんと気をつかってハンドルきってるんだから)