注意すべき「おさいふケータイ・Felica」とマイナンバーアプリの密接な関係

ITとAIとデザイン
トーイ
トーイ

このところ、マイナンバーカードのニュースが増えてきたぞい?

たかむら
たかむら

便利に感じているひとがいるからこそ話題になっているんだけれども、このところのトラブルの報道は利用者からするとショックは大きいね。

5/11からダウンロードが可能になったマイナンバーアプリですが、その一方でデータの取り違えトラブルが報告されるなど運用開始後のマイナンバーシステムにさまざまな課題が見えてきました。個人として気をつけるべきセキュリティ上の注意点とはどこにあるのでしょうか。

おさいふケータイとマイナンバーアプリは切っても切れない関係

以前、スマートフォン(以下、スマホ)のアプリでマイナンバーカードの機能が使えるようになった際にそのことを記事にしました。もっとも着目したのは「おさいふケータイ」に使われる「Feilca(フェリカ)」という日本独自規格の通信チップがスマホに搭載されていることが必須のシステム要件であったことです。

このFelicaチップですが、某海外スマホメーカー関係者のコメントによると搭載するにあたってはスマホ1台あたり約1万円のコスト増になるといった販売戦略上の懸念があるそうです。そのため、廉価モデルでは非搭載のケースも少なくありません。つまり、国内で流通するすべてのスマホで使えるとは限らないのです。

おさいふケータイのFelicaチップ使用による弊害

上の記事を投稿した際にはあえて明記しませんでしたが、危惧していたのは仮にスマホを初期化・リセットしても「おさいふケータイ」が記録したFelicaチップの情報までは消去されないことです。つまり、廃棄はもちろんのこと、中古としてフリマやオークションで譲渡するなど、スマホ本体を手放す場合にはしっかりと手順を踏んで消去しなければそのまま個人情報が流出してしまう危険性があります。このあたりのアナウンスが足りていないのはとても残念なことです。

総括

このところ、行政のDX推進について記事にすることが少なくありません。先日6/1には稲沢市が提供している道路や公園施設損傷の通報システムについて触れました。

そこでも述べましたとおり、ソフトウェア、アプリには常にバグや改善すべき点がつきものです。実際に多くの要望がGoogleプレイなどのアプリのダウンローページに口コミ、レビューとして投稿されています。こうした個人の機密情報を扱う場合には、開発者も利用者もさらに慎重になるべきところです。

まだまだ使えるサービスが限定的とはいえ、実際にマイナンバーカード取得後、アプリの利用までいってはじめて本当の利便性が生まれます。リリースをいそぐあまり、IT技術により生産性が向上する反面でリスクがより増大していくことは本末転倒です。

たかむら
たかむら

システム運用の現場においては、人が介在する部分でどうしても人的ミス・ヒューマンエラーがつきまといます。しかし、それを恐れていては”ただの電子化”に留まりかねません。本来の目的となる市民のQOL向上のために、このミスをゼロにする取り組みこそがほんとうのDX、デジタル化なのです。