名古屋の観光ルートバス「メーグル」を見かけて思う稲沢市のあたらしい観光集客のありかたについて:その1

名古屋市の観光ルートバスに稲沢市の観光集客のあり方を考える画像 稲沢市のこと
トーイ
トーイ

オイラ、クルマでおでかけするの大好きだぞい

たかむら
たかむら

いつもちゃんといいコにしてるよね

先日から国道22号に設けられた自転車専用レーンを調べています。その他の用事もありますが、ふだんあまり使うことのない旧22号を通る機会が増えました。

わたしの住まいは稲沢市祖父江町ですが、中でも長岡校区の四貫(よつ”の”き)地区は市内でももっとも西方に位置しています。そのため、名古屋へ出向く際は馬飼井堀線(愛知県道130号)を馬飼方面から東に進んでいくことがほとんどです。逆に、2001年から7年間暮らしていた稲沢市稲葉からは旧22号を使う機会は少なくありませんでした。

余談ですが、ずっとその稲葉の住まいの行政区を「西町(にしまち)」と思い込んでいましたが、さいきん「そこは旭町(あさひまち)」だよ、と教わりました。よくよく思い出してみると、たしかに区費の領収書は「旭町」だったような。当時「西町はべつの呼び方なのかな」と不思議に感じたことも思い出しました(さらに違っていましたらご容赦ください)。稲沢市のHPで「稲沢地区行政区境界図(PDF)」なるものを確認するとたしかに「旭町」です。

行政区と区長制度
稲沢市公式ウェブサイト

そんな中、旧22号のただしい名称がどうしても思い当たりません。調べてみましたら「愛知県道190号 名古屋一宮線」なんですね。稲沢市と名古屋市を直結する南北の道路としておそらくもっとも認知されています。しかし、JR、名鉄の架線で縦に分断される稲沢市において、この旧22号の存在価値はお住まいの地域により大きく異なってきます。

こうして地図で見ると、やはり東西よりも南北への流動性が高まる構造になっていますね。「名古屋のベッドタウン」といわれる稲沢市にとって、交通の要となる旧22号線の未来価値はどうなっていくのでしょうか。2012年(平成24年)3月に開通した夢逢橋(ゆめあいばし)や、国府宮駅周辺の再開発や名鉄の高架化などの計画とどう絡み合ってくるのか。稲沢市に暮らすもののひとりとして高い関心とともに注視していきます。

名古屋市が走らせる、なごや観光ルートバス「メーグル」

そんな中、旧22号が庄内川にかかる枇杷島橋、こちらも大規模な架替え工事中ですが、ここから名古屋に入りその後すぐに上更(かみさら)という交差点で新の国道22号とガチ合います。そこで見かけたのが見出しの観光ルートバス「メーグル」です。名古屋駅を「めいえき」、名古屋大学を「めいだい」と呼ぶ独特の文化に「巡る(めぐる)」とおそらく循環や巡回のイメージをもつ「ぐるぐる」という副詞をかけ合わせたのであろうことは想像に難くありません(公式との答え合わせはあえてしていません)。名古屋市が運営するバスですが、公益財団法人名古屋観光コンベンションビューローが紹介するホームページのほうがわかりやすく、検索結果の順位も高いのでこちらのリンクを掲載します。

なごや観光ルートバス「メーグル」 | 【公式】名古屋市観光情報「名古屋コンシェルジュ」
名古屋市の観光情報が満載!なごや観光ルートバス「メーグル」の運行ルート、乗り場をご案内します。一日乗り放題の「1DAYチケット」でオトクに効率よく名古屋市内の観光スポットを巡ることができます。

そのインパクトから、もう少し大がかりなプロジェクトから勝手に想像していたのですが、下のルート図を見る限りどうやらそういうわけでもなさそうです。同ページから引用紹介いたします。

観光ルートバス「メーグル」の停車スポット

このメーグルのセールスポイントは「名古屋市内の公共交通機関に詳しくない方でも、目的の観光スポットまで行くことができる」です。一日乗り放題の1DAYチケットがあり、コスパに名古屋市内のいろんな観光スポットを巡ることがでるそうですが、ターゲットとしている年齢層はどこなのかいまひとつわかりません。ホームページのアイキャッチ画像では、年の頃20代らしきふたりの女性がメーグルに乗り込むシーンを採用しています。上のルートは、名古屋市で生まれ名古屋市の教育を受けてきたわたし(髙村)としては、どうしても歴史、文化を学ぶ社会科見学のルートとして受け止められます。名古屋にはもっと紹介すべきおもしろいところがたくさんあるじゃないか、と。

髙村(高村:たかむら)の考える観光の定義

わたしが考える観光の定義をひとことで申し上げると「非日常体験」です。観光は、まずいつものくらし・ルーティーン(routine)を離れるところから始まります。今回ご紹介したメーグルは、ターゲット年齢層は別としても「名古屋市内の公共交通機関に詳しくない方に向け」とはっきりその運用ポリシーを明確にしている点に注目しています。

初見の観光地では、見知らぬ地に降り立つわけですからとうぜん土地勘などありません。ひとまず現地についてからアレコレ調べるところから始まる、そんな旅もありますよね。それでも、みんながみんなフルスクラッチでプランやコースをたてるの得意なわけではありません。

観光というアクションそのものは至ってシンプルです。そもそも「観光」という単語の成り立ち自体が当て字のようなものらしく、えらく古いしきたりの中で現代に残ったものです。どうしてわざと難しくしているかには触れませんが、つまるところ人の移動なくしては成り立たないものだからでしょう。その点で「レジャー」という単語のほうがライト層に受けが良さそうです。

コロナ禍において、仮想化やリモートなどのさまざまな体験が試されました。しかし、いまのポストコロナの状況を見る限り、直にひとの五感をもって感じる体験に勝るものはありません。

そうした、観光一歩目のシンプルな欲求を満たすのに、この名古屋のメーグルはとてもわかりやすい存在なのです。

それならば、です。

稲沢市に興味をもったひとの好奇心、探究心、非日常への羨望を確実にすくい上げる仕組みづくりが必要ですが、はたして。

メーグルの着想を稲沢市の観光集客に活かすには?

10代からの国府宮はだかまつり(なおい神事)への参加や40代からの鏡餅奉賛会でのお手伝い、そして、稲沢市観光基本計画策定委員やそぶえイチョウ黄葉まつり実行委員会、その他の観光にまつわる事業に携わらせていただいたわたし自身の視点で申し上げると、稲沢市の観光スポット、イベントはいずれもすでにとても高いレベルにあります。もちろん、幾ばくかの改善点できる余地はあります。しかし、観光入込客数という独特の指標がありますが、いずれも他の街に負けてはいません。むしろ勝っているものが多い、まであります。

共通基準による観光入込客統計 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
2008年(平成20年)10月1日に発足した観光庁の公式ウェブサイトです。観光庁の紹介や観光立国実現のための施策などを紹介しています。

しかし、単体では光り輝くイベントでも、年間を通じた観光集客の定着には至りません。このさき、稲沢市にとってほんとうに必要なのは通年型の観光資源です。その前提として、稲沢市そのもの観光ブランド価値を育て上げなければなりません。そのためにはまず、を結ぶ作業が必要です。「いつ来ても楽しい街」こそが、非日常体験には重要だからです。

観光は実は難しい~稲沢市民にとってリターンのある観光集客

さきほど触れましたとおり、観光客それぞれがもつ旅レベルにもやはり差があります。「観光地にくわしい」ではなく「観光のしかた・ノウハウをもっている」という視点からです。ここではしっかりとしたマーケティングが必要となってきます。

さまざまなターゲットに対して、段階を経てプロモーション、訴求していくためにはなにが必要なのでしょうか。

稲沢市民が足を運びたくなる稲沢市内の観光イベントは?

その2へ続きます。

トーイ
トーイ

でも、よそのワンコみたらついつい興奮しちゃうんだなも

たかむら
たかむら

できれば、あんまり吠えないでね…

びっくりするから

(いったいなにがそこまで駆り立てるんだろう?)