「あいち森と緑づくり」から学んだこと(仮)

グレシャムの法則

上手なタイトルが思い浮かばないので、”ひとまず”の仮タイトルです。

足掛け10年にも及ぶでしょうか。長年関わってきた事業のひとつに、あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業があります。その名の通り、「NPO やボランティア団体など多様な主体が行う自発的な森と緑の保全活動や森と緑を社会全体で⽀えるという機運を醸成する環境学習に関する取組み」に対し愛知県が支援するもので、県下では広くさまざまな活動が繰り広げられています。

後日エントリーする内容とかぶりますが、この支援活動のもと、祖父江町内の各小学校を回ったり、愛知県図書館でイチョウをテーマに発表をさせていただいたり、その他さまざまなことを体験させていただきました。

毎年の活動ひとつひとつが、一(いち)事業として扱われるわけですが、その中で私自身がもっとも経験的に学んだことは「資質の発掘と育成」についてです。このままだとモヤッとした表現ですが、スポーツの世界に例えるとわかりやすいのかもしれません。たとえば、ひとりのプレイヤーから、あらゆる経験を乗り越えて後輩を育てる先輩格になり、それがいつしか監督やスカウトマンのポジションにまでたどりつく、そんな感じです。もちろんそこがゴールではありません。

このプロセス自体は普遍的なものです。問題は、そのプロセスを輪切りにしたときにはじめて観測できる「グレシャムの法則」だと考えています。なお、このことについては、稲沢市観光基本計画策定委員会で委員を務めさせていただいた折にも、勇気を振り絞って触れさせていただきました。

グレシャムの法則」は、もともと経済学の法則のひとつです。16世紀のイギリスの国王財政顧問グレシャムさんの発言を、19世紀に同じイギリスの経済学者マクロードさんが体系化したもので、一般的には「悪貨は良貨を駆逐する」で知られています。経済学なので、当然お金にまつわることテーマにしていますが、私自身は人材、資質の”あり方”に対するパワーワードとして使っています。

同じような表現がちょうどウィキペディアにあります。引用すると「古代ギリシアの劇作家アリストパネスは、自作の登場人物に「この国では、良貨が流通から姿を消して悪貨がでまわるように、良い人より悪い人が選ばれる」という台詞を与え~(引用:ウィキペディア「グレシャムの法則」)」の部分です。

私自身の考えとのアプローチの違いは、「良い人より悪い人」の部分です。そもそも”良い”も”悪い”も表裏一体の関係であり、この表現ではひとくくりすぎてしっくりきません。

ターゲットは頭数の捉え方です。組織活動の中で調整型の性格を発揮する場合、私はブレインストーミングを基本的な土台として採用した上で、「和して同ぜず」のポジショニングをとります。今回この法則を持ち出したのは、まさしくチームのあり方に対する自問自答、ジレンマからなのです。先に書いた通り、体験と学習のある種の成果なのですが、いまでも課題として、自分が事業主体、運営側にまわったときにはじめてみえてきた”和”のむずかしさを抱えています。解決にはまだまだ時間がかかります。

そういえば、「囚人のジレンマ」なるパワーワードもありましたね。