では、130年前、尾張地方”も”襲ったM8.0の世界最大級の地震「濃尾地震」の再来は?

子育てと家族力

南海トラフ巨大地震のエントリーからこれで4回めの記事投稿となります。近い将来起こりうるだろうとされる同地震に向けて、過去の地震史からさかのぼるかたちで追いかけています。それが前回の投稿です。

100~150年ぐらいのスパンでこの地方もたいへん大きな震災に見舞われていることは歴史のままです。そうした経験の中で、日本の建築耐震基準はより厳格になり構造や技術も他国にさきがけ革新されてきました。その中で、この地方の明確な耐震意識のきっかけとなったといわれるのが、タイトルにある「濃尾地震」です。震源地となった根尾谷を所管する岐阜県庁のWebサイトでこの地震についてくわしく触れられています。

明治24年(1891年)10月28日午前6時37分、岐阜県美濃地方、愛知県尾張地方を突然猛烈な地震がおそった。最初は上下、水平方向への動きとともに、北、南へ揺れていたが、いきなり大きな烈震となり、岐阜地方気象台の地震計の針は振り切れてしまった。31日までの4日間に、烈震4回、強震40回、弱震660回、微震1回、鳴動15回、合計720回を数えた。その後も余震は絶えなかった。

震源地は本巣郡根尾谷(現本巣市根尾)。地震のエネルギーはマグニチュード8.0、世界でも最大級の内陸直下型地震であった。(~中略~)死者は全国で7,273人、全壊・焼失家屋142,000戸という大きな被害をこうむった。これが濃尾大地震である。

https://www.pref.gifu.lg.jp/page/5980.html

岐阜県の同サイトにも記されているとおり、この時代の背景として富国強兵や欧米風の近代化などの現代の礎がまさしく軌道に乗りつつあったころで、この災害が与えた被害は目に見えるものに留まらなかったようです

しかし、冒頭に述べた通りこれを契機に地震対策への意識づけやメディアによる情報共有が進んだことで、物資による救助支援や災害ボランティアという全国的な助け合いの輪が生まれたという側面があります。

薄墨桜で有名なこともあり、また根尾谷断層については歴史の教科書などでおぼろげな知識があったものの、私はこの地震の存在を知りませんでした。勉強不足なのはたしかですが、岐阜県を震源としているため、私達が受けてきた「想定される東海地震」をベースとした愛知県内の地震教育とは方針が違ったのかもしれません。きっかけは、もともと稲沢市の消費生活モニターに参加した際に属したグループの当該年度の研究テーマがこの「地震」だったことです。リーダーさんはじめ、グループメンバー皆さんの研鑽のもとTGアリーナ(稲沢市勤労福祉会館)で2日間にわたり消費生活展として詳細な資料とともにブース出展を行いました。

地震多発国の日本に住むものとして、災害(ハザード)とは生涯向き合っていかなければなりません。まさしく生命がかかっています。そのための方針として、これまでの地震史から学んでいくと次の具体的な3つの柱が立ち上がります。

A.危機感をもって望むこと
B.災害が起こってはじめて気づくことやわかること
C.想定をはるかに超える自然災害が起こってしまったケースへの対応力

Aについては、でき得ることなら「共有」まで進んでいくのが理想です。しかも、毎日の暮らしに忙殺されているかぎり、ここはかならずしも満足にいくとはかぎりません。これは「家族力」の部分でですが。ただし、行政やメディア、インターネットのインフラ定着によって、災害時掲示板など一定のセーフティネットが築き上げられています。この「セーフティネット」は、本来は金融用語のようですが災害意識に対してもそぐうものだと思います。

セーフティネットってどういう意味?

あらかじめ予想される危険や損害の発生に備えて、被害の回避や最小限化を図る目的で準備される制度やしくみ。

金融広報中央委員会「知るぽると」

そして、BやCへと議論が移りますが、ここがもっとも見解の分かれるところで、セーフティネットの限界を突破する議論のためさまざまが機関でもあらゆる想定があります。

「未曾有(みぞう)」という言葉があります。ウェブリオが詳しいので引用させていただきます。

未曾有(読み方:みぞう・別表記:未曽有)

未曾有(みぞう)とは、「これまで一度たりとも起きなかったような、極めて稀な事態(珍事)」を意味する言葉。「いまだかつて有らず(未だ曾て有らず)」と読み下しできる漢語表現。もっぱら「未曾有の(+名詞)」という言い方で用いられる。どちらかといえば、災禍や不祥事といったネガティブ寄りの出来事を形容する語として用いられやすい。

https://www.weblio.jp/content/%E6%9C%AA%E6%9B%BE%E6%9C%89

B、Cについてはあらためて後日エントリーしたいと思います。