パソコンメーカーが電動アシスト自転車を作ったらAIを載せてきたハナシ

自転車の安全利用

アイキャッチ画像は、Acer社の公式プロモーションのものです。見た目は普通のスマートでおしゃれな電動アシスト自転車ですが、今の世界のサイズの主流は”コンパクト”ですね。日本ではいまだ折りたたみ自転車のイメージが強いサイズ感です。

このサイズのクラスのメリットは、サドルの高さの調整次第で子供からオトナまで難なく乗車が可能なこと、そして、軽量で置き場所にも困らないことです。さらに、自動車に積んでいくこともできるので趣味性も高く、キャンプ、アウトドアでは重宝します。

デメリットはやはり小径タイヤ、短いホイールベース(前後の車軸の距離で車体の長さを表します)による重心の取り方がむずかしいこと。重心が取りづらいのは低速度のときはそれほど影響がありませんが、スピードに乗ってくると途端に高い技術が要求されます。つまり、このクラスにはそれほど高いスピード性能を求めるべきではありません。競技は別ですが。

というわけで、このAcer社は台湾のITベンダーとして有名な企業です。今回発表されたこのバッテリーを積むこの「ebii(イービーと呼ぶのかな)」の性能は最高時速25kmと、日本国内ではざんねんながら電動アシスト自転車の枠に収まりません。電気で走る原付き「モペッド」ですね。登録と自賠責、免許がいります。

ここまではよくあるハナシで、以前も次のエントリーでふれました。

この「ebii」にはAIが搭載されているそうです。車体に搭載された「インテリジェント車両コントロールボックス」で快適な走行を実現するというのが差別化、高付加価値の部分ですね。

AIによって自分の走行状態が常に分析され、スピード調整、自動ギア変速、電池をもたせるための省エネ走行などが可能になるそうです。ここまではAI的に普通です。

それよりも、アプリ連携による、衝突検出センサーやGPS追跡機能が目玉だと考えています。自動車ではごく当たり前の装備になってきましたが、自転車界隈ではここまで機能がまとまったものはまだ見かけません。運転者が近づくと自動でロック解除されたり、遠隔でもロック可能と、やっぱりクルマっぽいです。

AIを目玉にしているようですが、私は「せっかく自転車にバッテリーを積んだんだから、クルマのような高機能を持たせてみようよ」のほうに注目しています。守るものがなくむき出しの状態でまたがる自転車だからこその安全機能が、今後バッテリーの進化とともに向上していくことを願っています。