先日、総務省により日本の人口が75万人減少したことが公表されました。統計データとして比較が可能な1950年以来では最大の落ち込みとのことです。このニュースは、かなりのインパクトをもって伝えられました。
その1950年というのはちょうど第二次世界大戦後の復興期で、日本では1947年から1949年にベビーブームが起きたとされていますから、その直後からの統計なんですね。実はベビーブームそのものが世界中でのムーブメントであり日本に限った現象ではありません。1950年以降は、そうした著しいブームの反動でおだやかな増加にとどまっていたことが次の総務省のグラフからわかります。このグラフは「生産年齢人口」の推移も描かれており、年金などの制度設計を見越していたことが透けて見えるなど、けっこう興味深いものがあります。

出典:「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要(平成23年2月21日国土審議会政策部会長期展望委員会)
実はこのグラフは「市町村合併の推進状況について」というテーマに基づいて制作されたもので、資料としては”平成の大合併”の後に公表されたものとなります。合併により2050年頃までは2005年あたりを境に減少しだした日本の人口減も緩やかに進んでいく観測が立てられているのがわかります。
この”希望的”観測が、予想だにしなかった新型コロナウイルス感染症の影響により75万人もの加速的な減少として驚愕のデータを刻むことになってしまったのが今回の発表なのです。

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