自転車同士の事故でノーヘルメットの男性が死亡した件について

自転車の安全利用

4月9日、本日のニュースですが、京都府京田辺市のサイクリングロードでスポーツタイプ(ロードバイク)の自転車同士が正面衝突する事故が起き、ヘルメット未着用だった60代男性が頭を強く打ち意識不明の重体から死亡へと至りました。相手側となる40代の女性はヘルメットを着用していたそうで、頭部や肩に打撲はあるものの命に別条はないとのこと。現場となったコースはカーブだったそうです。

スポーツタイプの自転車といえば、クロスバイクからMTB、ロードなどさまざまな種類があります。いずれも多段ギアを装備することで、巡航速度は時速30km/hにせまる性能を有するものがほとんどです。今回の一連の報道からすべてを読み取ることができませんが、サイクルロードは、原則左側通行とされていますし、カーブでの正面衝突とのことで状況から察するにどちらかのセンターオーバーか減速不足、もしくは、巡航状態での接触も考えられます。双方巡航のケースを仮に想定すると、相対速度としては約50km/hを超えてきます。

死亡事故は 時速50~60kmの中速域走行に多い?

財団法人 交通事故総合分析センターのデータ(引用元はPDF)があります。2011年の四輪、つまり、自動車が対象ですが、次の画像のように50~60km/hでの事故死者数がもっとも多いとのことです。

https://www.itarda.or.jp/contents/448/info90.pdf

さきほど、相対速度で約50km/hを超えてくるとしましたが、もっといえば自転車はむき身の状態、つまり、ほとんど身を守るものがない中での事故になります。自動車を時速50kmで走行中にいっさいブレーキを踏まず壁に激突したときのことをイメージしてください。かなりの衝撃となることは想像に難くありません。シートベルトをして身体を守るシートやエアバッグがあってもです。

ノーヘルメットだけではなく、自転車乗車の自己防衛意識や技術が課題

自転車の安全利用としてカテゴリーをもうけ、見出しのような意識向上を記事としてエントリーしてきましたが、3月1日の投稿がまさに今回のような事故のケースを想定したものです。いえ、自転車対自転車による死亡事故なので想定を超えた痛ましさすら感じています。

スピードがそのまま自分への衝撃という凶器に変わること、つねにむき身であること、頭部のみではなく顔面の保護の重要性など、引き続き訴えていきたちと思います。